いわゆる南の作物も北の作物も穫れる伊那谷は、さまざまな農作物がつくられている。果樹などはその代表例だ。そしてこのことは、咲く花も多種多様におよぶことになる。
加えて伊那谷は段丘地形。花は低地から高地へと、時と場所を移して咲きほころぶ。花を眺める点では、段丘地形は高所からの俯瞰が可能。中央アルプスと南アルプスを背景に、大きな箱庭さながらの景観を高みから見物できる。
福寿草が浅い春の訪れを告げると、花の競演が幕を切る。梅に続いて桜前線が到来。里山の雑木林は芽吹きを背に、コブシ、ダンコウバイ、ミツバツツジなどが千紫万紅咲き競う。そして里は果樹の花。桃は艶やかに、梨は白い清楚な、りんごは可憐な花を結ぶ。段丘は花の絨毯を敷き詰めたように彩られる。
花の名所は各地にあるけれど、種類と景観面からすれば伊那谷は「花の谷」といえるだろう。居ながらにして多様な花を楽しむことができる。
桃の花
梨の花
りんごの花
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