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TAKART 第29号

サンザシのこと知らない人集まれ~! ④

サンザシの種類と栽培について、日本で唯一サンザシの栽培を手掛けてる(たぶん)高森町より、情報発信しま~す。

サンザシの種類
 サンザシは交雑しやすく、数百種類もの品種が存在します。大きく分けると西洋サンザシ、南山楂、北山楂の3種類のグループに分けられます。
 西洋サンザシは、②でも記述のとおり、丈が高く葉も大きいものと、丈は低く刺があるものに分けられます。どちらも実は小さく、薬用(ハーブ)として用いられていますが、主には庭木としての観賞用、盆栽用として人気があるようですね。
 南山楂は中国の華中以南の野生種で主に薬用として用いられています。
 北山楂は中国の華北、東北地方で栽培するオオサンザシ(山楂)とオオミサンザシ(山里紅)のことで実が大きいのが特徴です。中国で生産される「山楂」はオオサンザシを基源とする北山楂が最も多く、高森町で栽培されているものは、北山楂に属します。

高森町産のサンザシの実 ※ 他の品種もありますよ!

日本におけるサンザシの栽培
 サンザシの苗について、現在中国国内でリンゴの火傷病が発生しているため、同じバラ科の植物の輸入は全面禁止されている状態です。よって、バラ科のサンザシの苗も輸入ができない状況にあります。サンザシは、種からで栽培できますが発芽が悪い上、実生ではいい実がならないので、食用にするなら接木をする必要があるのです。
 また、現在ネット販売されているサンザシは品種や名前が不確実なものが多く、観賞用のものなどが混じっているので気を付けてくださいね。
 ちなみに、昔ある農家さんがサンザシの苗を増やし、成長が早く果肉の柔らかい実のつくものを「西安」、成長がやや遅く果肉が赤いものを「北京」として販売した過去があるのです。それを苗木屋専門店がさらに接ぎ木で増やして、その名前が広まってしまいました。前述したとおり、サンザシはとても交雑しやすいので、表示してある名前なんぞはあてになりませんからね! 実際にどんな花が咲くか、どんな実が成るかを確認することが重要ですよ~。

サンザシの選定 (2月頃)
 
 サンザシは、耐寒性があり気候の変化にも適応でき、比較的病気にも強い超優秀な植物なんですよ。また、酸味が強いため、鳥害、獣害に遭うこともなく、山間地域では比較的栽培しやすいといえますね。ただ、唯一の害虫といえるのが「ナシヒメシンクイムシ」で、こやつは温暖化と共に大量発生する傾向にあるので悩みの種です。
 農薬の散布をさけるため、農業試験場の協力・指導を得てコンフューザー(交信かく乱用性フェロモン剤)を設置し対応していますが、敵もなかなか、そう簡単には騙されてはくれないようです。ここ数年はカメムシによる食害がみられるようになり、どんだけいるの?ってくらいメッチャ増えてて困っています。よりによってあの臭い!あいつ、マジで勘弁してもらいたいわ~。

害虫の被害 ※ ナシヒメシンクイ虫、カメムシの食害

サンザシプロジェクトチーム結成
20218年12月に発足したサンザシプロジェクトチームは、地元の有志が集まって結成されました。
2021年、東京の企業のご支援をいただき、新たに幼木100本を定植し、本格的栽培と研究に取り組んでいます。
2024年には、サティス製薬さんよりサンザシの成分研究をしていただき、化粧品としての効能もあることがわかりました。

2024年10月 サンザシの収穫 高森町内にて

⑤につづく

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