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毎日創作 #37 伝説の剣の伝説

   

2014-11-17 21-23-0001伝説の剣の伝説を知っているだろうか。

それは、世界を救った勇者が、二度と戦いが起きぬようにと願い、悪の根源を永遠に封印するために共に戦った剣を封印した伝説である。

そして、その伝説はここ。
嵐が丘第二団地に伝わっている。

何でも、まだ団地が建設中だった昭和30年代。
この地を訪れた勇者は、「この場所こそふさわしい」と剣を大地に突き刺し、その後には第10号棟が絶ったということだ。

当時の団地は、一般家庭におけるひとつのステータスであり、中流以上のファミリーが、こぞって入居した。
第10号棟も御多分に漏れず、多くの家族が生活してきたのだ。

しかし、家族の形式も、住まいの形式も、生活の様式までもが変わってしまい、団地はとうに旧時代の遺産になってしまった。
過疎化が進み、この団地も閉鎖されることになり、最後に残った第10号棟も取り壊しが決まった。

小学生の時に、伝説の剣の伝説を聞いた私は、第10号棟の取り壊しは、世界の終わりと信じて疑わなかった。
竜のごとくアームを伸ばした重機が、10号棟を取り壊しにかかる。

ガラガラとものすごい音を立てて、第10号棟が崩れ落ちる。

しかし、伝説の剣は、結局出てこなかった。
私は、世界が再び闇に包まれると思い、戦々恐々としていたのに。
きっと地中深くに眠っているのだと思った
そう思うことにした。

しかしその夜、ニュースで残酷な犯罪を見た。
悪の意思は復活しつつあるのだ。

私は急いで、取り壊しを担当した建設会社のもとに走り、重機の操縦を担当した人を訪ねた。
「剣は! 伝説の剣はどこですか?」
担当者は、何のことかわからないといった風で、しらばっくれていた。
私は段々、この身勝手な男にいらだってきて、手元にあった灰皿でその男の頭を殴った。

世界の危機をなんだと思っているのだと。

そして、私は警察に捕まった。
そうか、時はすでに遅かった。
すでに剣は抜かれており、世界は悪の意思に覆われていたのだ。

@babarts1979

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