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成田亨はウルトラマンともっと仲良くしてほしかった

   

2015-01-12 17-00-0002先日、福岡市美術館へ成田亨の展覧会に行ってきました。
レポートは別ブログに書きましたので、そちらへどうぞ。

福岡市美術館の「成田亨 美術/特撮/怪獣」へ行ってきた!

ウルトラマンの墓

本ブログでは、特撮成分を強化していることもあり、成田亨とウルトラマンについて、もっと突っ込んでみようと思います。

まず、成田亨は、次のような詩を残しています。

鎮魂歌

星から来た勇者 地球を救った勇者 永遠(とこしえ)であれ

君を利用し 金儲けをたくらむ地球人の為に
角をつけたり 髭をつけたり 乳房を出したりしてはいけない

スーツを着たり 和服を着たり 星空に向かってラーメンをかゝげてはいけない

経済と技術に溺れて了った地球人は 叡智と勇気を失って いま もだえ苦しんでいる

しかし 遠からず必ず不変の叡智を取りもどすだろう

君は星空の彼方から見とどけてくれたまえ

永遠の偶像よ

これは、ウルトラマンをデザインした成田亨が、シリーズが進むにつれて、複雑化していくウルトラマンのデザインや、キャラとして独り歩きし、テレビCMなどでギャグキャラとして扱われることに憤りを感じ、「ウルトラマンの墓」と呼ばれるモニュメントに残したものです。

本来成田のデザインしたウルトラマンには、カラータイマーはありません。
カラータイマーは、製作側がウルトラマンの弱点を、視覚的に分かりやすくするために、付け加えたものです。

成田亨は、これをたいへん嫌ったと言います。

ウルトラマン=神

成田亨は、ウルトラマンに神に等しい存在というか、ほとんど神としてデザインしていると思います。
仏像のアルカイックスマイルを模していることもそうですし、僕もウルトラマンは神と言うテーマを孕んでいると思います。

つまり、神に弱点はいらないということじゃないでしょうか。
ゆえにカラータイマーはいらないし、まして成田亨はデザインをブラッシュアップしていく過程で、余計なものを削っていくスタイルです。
シンプルさを愛する成田にとって、カラータイマーのとどまらず、タロウの角のような造詣も余計なものだったのでしょう。

2015-01-12 17-00-0001彼は、デザイナーではなく、芸術家なのです。
自分の作ったヒーローや怪獣に、造形的な美しさと哲学を求め、マーケットは二の次でした。

なので、鎮魂歌のような詩を書き、ビジネスとして製作されるウルトラマンに哀悼をささげた。

これは、成田亨の崇高さを物語ると同時に、ファンとしては複雑です。
というのも、テレビはどうしてもビジネスの存在が否定できないからです。

肯定も否定もできない

特に予算のかかる特撮において、お金は必要です。
その中でも、ウルトラはその時代でマーケットに溺れず、まっとうに番組作りを続けてきたように思えます。

差別化の中で、ウルトラマンのデザインに何かを足したりというのは、もはや仕方のない流れだったのではないのでしょうか。

成田亨はその崇高な神経ゆえに、ウルトラから遠ざかってしまった。

それは、僕にとってはかっこよく感じつつ、「なんでもっと割り切ってくれなかったんだ」とも思い複雑なんです。
肯定も否定もできない気分です。

成田亨は、その後のウルトラシリーズの怪獣デザインがあまり好きではなかったようです。
ものの形の根底を問わず、既存の怪獣デザインの枠内で生まれた怪獣たちの安易で狭いものだと感じていました。
同様のことをぼくも感じています。
バキシムなど、第二期怪獣ブームの怪獣も、素敵デザインが存在しますが、やはり成田亨の怪獣の方が好きです。

だからこそ、そんなことでへそを曲げずにウルトラで仕事をし続けてほしかった。
ウルトラマンと仲良くしてほしかったんです。

でも、そんな物わかりのいい人だったら今のように偉大な存在にはなっていなかったでしょうね。

@babarts1979

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 - 特撮 ,

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Comment

  1. オキクルミ より:

    初めまして。

    >そんなことでへそを曲げずにウルトラで仕事をし続けてほしかった。

    僕は逆に、ウルトラマンを自ら貶める様な人達と手を切って正解だったと思ってます。ウルトラマンデザインの著作権を巡る、円谷プロとの確執を知った時、一人の芸術家の尊厳踏みにじってまでウルトラマンの新作見たいとは思わなかったし、一人で戦っている成田さんの側に立つつもりで『宇宙船』に「ウルトラマンへの絶縁状」を投書しました。

    むしろ、ウルトラ以外の新しいヒーローを成田さんに作ってほしかったです。
    『Uジン』を朝日ソノラマ主導で映画化までこぎつけていれば…。
    『風の谷のナウシカ』を映画化まで持って行けた徳間書店との落差を考えると…。
    未だに憤慨してます。

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実際、日本の特撮はやばいと思う。

現在の日本の特撮は低迷していると思います。

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