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特撮考察:ウルトラマンは国内SF番組の最後の良心である。

      2013/01/09

ウルトラマンについて語りたい。
ウルトラシリーズは、1966年。TBSで放送された「ウルトラQ」を原典とし、その後「ウルトラマン」と言うヒーローを作り出し、今なお続く特撮シリーズの一つである。
20130107_ultraman_1現在はウルトラマンゼロを主人公とした映画シリーズと、過去のウルトラシリーズから傑作・名作エピソードを再放送と言う形で「ウルトラマン列伝」と言うテレビ番組を放送している。
テレビシリーズが再放送番組だと言う時点で、他の仮面ライダーなどの東宝系ヒーローとは現在差をつけられている感じである。
ファンとしては寂しい。

ここでウルトラマンとはどういったヒーローなのかをおさらいしてみる。
ウルトラマンはM78星雲よりきた宇宙人である。
宇宙怪獣ベムラーを追って地球に来た際、誤って化学特捜隊のハヤタ隊員を死なせてしまい、代わりに自分がハヤタと同化することでハヤタの命を救った。
以来、ハヤタと同化したウルトラマンは、怪獣、宇宙人によって地球がピンチに陥る時、人類に変わって彼らと戦い、地球を守るのである。

以上が初代ウルトラマンの簡単な概要であるが、「宇宙人」「普段は地球人」「怪獣・宇宙人が現れた際、それらと戦う」と言う点ではどのシリーズもそれぞれ変わらない。

ウルトラシリーズは「空想特撮シリーズ」と言う肩書で始まる。
れっきとしたSF番組であることにここでは注目したい。
実際、ウルトラシリーズには良質なSFテイストを持つ傑作が数多く存在する。

ジャミラは元々人間だったが、科学の発展の犠牲になり宇宙で怪獣になってしまった。

バルタン星人は科学の発展により自分の星を滅ぼしてしまい、宇宙を彷徨う放浪者だった。
今やウルトラマンで一番有名な悪役は、産業の発展に伴い、その問題点を提起したキャラクターだった。

メトロン星人は薬で地球人の信頼感を失くそうとしたが、ウルトラセブンにその企みを阻止されたが、後にウルトラマンマックスで現れた時、「地球人は既にお互いを信頼していないのだから、私が何もしなくても滅びる」と言い、何もせず、ただ笑って去って行った。

帰ってきたウルトラマンでは、か弱い善良な異星人がその異形の為に人々に迫害された末に殺され、その為に怪獣が出現する。ウルトラマンは「助けてくれ」と言う人間に「勝手な事を言うな」と言いながらも、戦わざるを得ない決断に迫られ、その怪獣を倒す。「怪獣使いと少年」と言う後味の悪い作品もある。

始まった当初も、それ以降もウルトラマンは単なる子供番組ではなかった。
SFドラマとして重厚なテーマを、その時代に照らし合わせて提示し続けた。
他のヒーローにそういう点が全くないわけではないが、ウルトラマンは顕著である。それはなぜか?
ウルトラマンは主役ではないからである。

ウルトラマンは主役ではない。なぜなら主観がないからである。
ドラマはウルトラマンに変身する人間を中心に描かれており、彼らの目線がウルトラマンと全く同一とは限らないのだ。同一であれば、すぐさま変身すればよい。
しかしそれをしないのは、ウルトラマンは「人間に自分から立ち向かってほしい」と願っているためである。

そこにウルトラマンと人間の差がある。現に、「帰ってきたウルトラマン」の初期のエピソードでウルトラマンとなった郷秀樹が増長し、ウルトラマンに変身できないと言う場面がある。

「仮面ライダー」はヒーローと主人公が同一である。
主人公の悩みをヒーローはそのまま受け継ぎ、彼が中心となりドラマが生まれる。

対して「ウルトラマン」は、最初に怪獣が現れ、それに右往左往する人間たちを軸にドラマが作られる。
よって内容は社会性を帯びる事となる。変身者は、人々の代表となる場合が多い。

SFとは比喩表現である。
現代の抱える問題を、未来の科学などでより分かりやすく、鋭く、時にオブラートに包む。

その他、実際にある科学理論を、実際に映像化したりするのもウルトラマンの凄さでもある。
最近の映画では、多次元宇宙論を介して、シリーズの広がりを可視化している。

海外SFドラマなどと見比べてもそん色のないエピソードは多い。
日本ではSFは軽んじられている。
予算もかかるため、テレビでSFを扱うのはヒーローものくらいだ。
その中で、本格的なSF色が一番濃いのはウルトラマンである。

それでいて、同じ番組内で細かい設定を共有してしなかったりするので、柔軟性をも併せ持つ。
SFが書きたい人は、まずウルトラシリーズの有名エピソードを見る事から始めてはいかがだろうか。

関連記事:特撮考察:仮面ライダーにスタイルなんてない!プライドを捨てて戦え!


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