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特撮考察:ウルトラマンに於ける神性。

   

ウルトラマンはよく神に例えられる。

20130207_1

それはみうらじゅんなども指摘している。
みうらじゅんは仏像マニアだが、彼が仏像が好きになったのは小学生の時である。
彼にとって仏像はヒーローであり、周りがウルトラマンだ、ゴジラだと騒ぐ中で、仏像に同じような感情を抱いていたと言う。
氏は、遠い彼方からやって来るウルトラマンを弥勒菩薩ととらえ、梵字ウルトラサインの類似性を指摘している。

では、劇中のウルトラマンはどうだろうか。
人類のどうしようもない窮地に現れ、その絶対的な力で怪獣を対峙し、去って行く。
ウルトラマンの技は多彩で、「こんなんありか?」と見まがうほどの奇跡をもウルトラマンは起こしてしまう。
同時多発的に出現したバルタン星人(二代目)に対抗するために、テレポーテーションを使ったり、悲劇の怪獣ジャミラを葬った「ウルトラ水流」はシリーズではおなじみの技だが、「手から水が出る技」と言うのも考えてみればものすごい技だ。
せいぜい弱点と言えば「地球での活動時間が3分」と言うくらい。

しかし、デザインの成田亨の画では制限時間を象徴するカラータイマーは描かれていない。
ウルトラマンの弱点は後付なのである。

おそらく制作サイドとしてはウルトラマンを神にしたくないと言う思惑があったのだと思う。
「ヒーローは弱点がなければならない」とは昔からよく言われることである。
しかし、悲しいかな。3分の制限時間を付けた程度ではその神性を止める事が出来なかった。
さらに人語を話さないと言うのも神性に拍車をかけていると思われる。
そうして最終回。ウルトラマンはゼットンに倒されたのだ。

「ゼットン」と言うネーミングはアルファベットの最後の文字「Z」と、五十音の最後の文字「ん」を合わせたものであり、最終回を意識して名づけられた。その名を持つ怪獣が、ウルトラマンの命をも奪うと言うのはあまりにも印象的だ。
そしてその最強の怪獣をやっつけるのは、人類の新兵器だった。
これは神性否定に他ならない。

その後のシリーズでその辺りに注目してみると、「帰ってきたウルトラマン」から、主人公=変身者の葛藤がよく描かれるようになる。この辺りで「人間ウルトラマン」と言われるようになるが、その後「ウルトラマンA」が登場する。
Aは北斗と南の二人の男女によって変身する。(後のこの設定はなくなり、北斗一人での変身になってしまうが)これは性差を超えた完全な超人と言うコンセプトからであった。
さらにこの番組から「ウルトラ兄弟」「ウルトラの星」の描写も多くなる。
ウルトラの星は光の星であり、非現実的な描写がなされる。さらに番組内ではウルトラ兄弟が敵に捕らわれ、十字架に磔にされる場所が「ゴルゴダの星」であり、イエス・キリストが磔にされたゴルゴダの丘と重なる。
「ウルトラマンレオ」ではウルトラマンキングが登場し、超常的な能力を見せる。
この辺りのシリーズは、神話などからヒントを得ている設定やエピソードが多い。

それらの神性とは裏腹に、「ウルトラマンメビウス」ではメビウス=ヒビノ・ミライが地球人との交流について苦悩する描写などがあったりする。

このように、ウルトラマンは人間と神の間を行ったり来たりしている。
近作の映画では、これまでのウルトラマン像とに比べて神秘性の高いデザインのウルトラマンサーガが登場している。

それでは結局どちらなのか?という事になる。
僕個人の意見ではウルトラマンは神である。人間臭い描写をされようとも、劇中で見せる能力には果てがない。強い敵がらわれれば、さらに強くなっていく。「伝説」や「神話」などと言う言葉が似合うヒーローはウルトラマン以外にはなかろう。
そもそもは成田亨自身、ウルトラマンのデザインに関して仏像との関連性を明示している。
スペシウム光線のポーズにしても、仏像のポーズとどこかしら関連性があるような気がするではないか。

ウルトラの国を舞台に描かれた映画「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」を見た時、神話を見ているような気がした。
その中での彼らは主観があるし、キャラもたっているのだが、それでも僕の中の神性は消えなかった。

ウルトラマンが地球を守る理由に「昔、地球人と同じ姿だったから」と言うのがウルトラマンメビウスで語られている。
それだけでも、ウルトラマンに神性を見出すのは十分な気がする。


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