なぜか美容業界で人気の「山楂子-サンザシ-」
日本で唯一サンザシの栽培を手掛けてる(たぶん)高森町より、情報発信しま~す。
世界におけるサンザシの歴史
そもそもサンザシには多くの野生品種が存在し、北半球に広く分布しています。しかも交雑しやすい特徴を持つため起源も幅広く、また地域によって名前も異なるのです。よって、品種や名前の特定は非常に難しく、現在確認されているバラ科サンザシ属は200~300種類にも及んでいる状態で、新しい品種もどんどん生まれています。
サンザシが食料として使われた最も古い歴史は、中国の賈湖(ジアフー)遺跡で発見された約9000年前の「世界最古の酒」まで遡るんですよ。この遺跡の酒について、アメリカのペンシルベニア大学の教授パトリック・E・マクガヴァン氏がチームを作り本格的に化学的調査を行いました。土器の内側の成分を分析した結果「ブドウ、サンザシ、ミード、米」などで作られた発酵飲料(世界最古の酒)であることが分かったのです。 なんと、9000年前にサンザシが存在し、それを食用(お酒)に使っていたとういことですよね? サンザシの歴史恐るべし!
引用:パトリック・E・マクガヴァン 『酒の起源』 白揚社 2018年

中国におけるサンザシの歴史
中国の長い歴史においてサンザシは、漢時代の中国史上最初の辞書とされる『爾雅(エリヤ)』に初めて記載が登場するんですよ。この頃は主に野生種を薬用として利用していようですが、明時代になると栽培が盛んに行われるようになったんですね。その理由の一つに、名医でもあり本草学者でもある「李時珍-りじちん」という人がいたからなんですね。この超有名な李時珍は、それこそ超✕2有名なあの『本草綱目』の著者なんですよ! そこにサンザシの薬効が詳しく記述されたことによって、広く活用されるようになったんですね。すごいぞ、李時珍!!
それ以後、現代にも伝わる伝統的な漢方薬としての使用は、元の時代の巨匠「人丹渓-しゅたんけい-」による有名な処方「包和丸」によってより広められたんですよ。現代のようなデザートや料理に使われるようになったのは、清時代からで、宮廷料理の記録からその歴史が読み取れるのです。流行りのフルーツ飴の元祖はサンザシをつかった『糖葫芦-タンフールー-』なんですよ。冬の北京の風物詩でもありますね!

糖葫芦-タンフール- ※ サンザシの飴がけ高森町産
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