宗派-天台宗 本尊-薬師瑠璃光如来 創建-天永三年(1112) 開山-観誉僧都
開基九百年の古刹
天永3年(1112)、比叡山竹林院の観誉僧都がこの地を訪れた際、夢に薬師如来が現れ、不動滝へと向かう途中にある仁王山の「間の洞」(後の堂所)の地に堂塔を建立したと伝えられる。鎌倉時代になって現在の地に移転し、建久3年(1197)に源頼朝の祈願所となり、寺領750石が永代寄進された。その折に3本の桜も寄進され、代替わりし現在に至っている。その後、上杉謙信戦勝祈願の寺、武田信玄仏道修行の寺として名を馳せ、36坊が1キロ四方に点在する全盛時代を迎えた。
しかし天正10年(1582)、織田軍の兵火により堂塔をことごとく焼失してしまう。一旦は元の堂所の地に移り、江戸の寛永元年(1624)に再度現在地に移転となった。その後徳川家の加護を受けて再興し現在に至っている。薬師三尊仏、聖観音、地蔵菩薩など平安期に造立された仏像は幸い兵火を免れ、現在は文化財となっている。
平安仏を拝む
本尊の薬師如来三尊仏は、平安前期の重厚で厳しい尊要と、平安後期の主流をなした定朝様(じょうちょうよう)の優美な造形を併せもっている。観音堂に安置されている聖観世音菩薩は等身大の立像で、優しげな面相や奥行きの浅い躯体などに平安後期の特徴が表れている。
春の大祭に奉納される獅子舞は、開創当時から変遷を辿り現在まで伝承されてきた。伊那谷屋台獅子の源流といわれ、毎春、満開を迎えた桜の下で、宇天王が操る優雅な舞楽獅子が演じられる。一方、山門手前の「瑠璃の里会館」に祀られている薬師猫神様は、平成19年に養蚕の守り神を起源として、薬師如来の化身としてお迎えした神様で、新名所として人気を集めている。
◆拝観ガイド
拝観時間:8:30~17:00
拝観料:境内自由
◆縁日・祭事
春季祭典:4月第2土日
観音講:毎月17日
阿弥陀講:毎月18日
◆史跡・文化財
薬師三尊像〈薬師如来・日光菩薩・月光菩薩〉(国重文)
聖観世音菩薩(県宝)
大島山獅子舞(県無形民俗文化財)
本堂薬師堂(町指定)
聖衆来迎之図(町指定)
紺紙金泥経(町指定)
ほか
◆寺宝
源頼朝寄進桜(枝垂れ桜、地主桜、彼岸桜)
武田信玄寄進物(太刀、鶏香炉、文書)
◆体験
写経会:月1回不定期
坐禅会:月1回不定期
所在地:高森町大島山812 |
営業時間:9:00 – 22:00 |
休日:年中無休 |
電話:0265-35-2209 |
ウェブサイト:https://ruriji.net/ |
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