高森町 ・ この町を もっと元気に もっと好きに

たらたらくどくど

石垣の話 石垣は美しい!

大門原水田跡の石垣

座光寺のとっておきの石垣を見に行こう。

4年ほど前、仕事で飯田市座光寺の石垣を調査しました。座光寺には多くの石工(石材を加工し石垣等を造ることを生業とする人)がいたそうで、その数は近隣他地域をしのいでいたといいます。松川や天竜川などから採れる原料石にも恵まれていました。
そんな歴史を反映してか、座光寺には貴重な石垣や石の構造物がありました。なんてことない石垣ですが、よく見ると積み方にもさまざまな意匠が凝らされており、美しさを感じます。古いと思われる石垣、歴史的に重要な石垣のいくつかをご紹介します。ぜひ訪れてみてください。
※当記事は飯田市座光寺地域自治会発行の「麻績の里 座光寺便 第32号」(令和2年3月)を参照しています。

大門原水田跡の石垣 〈野面積み・乱積み〉
→大門原は江戸末期に開発されました。石垣も当時の古いものです。
宮崎氏館跡の石垣 〈野面積み・乱積み(写真中ほど) 打ち込みハギ・布積み(写真右手)〉
→宮崎氏館跡の石垣は座光寺で最古の石垣で、古い時代の様式が見られます。
宮崎堤の石垣 〈打ち込みハギ・落とし積み〉
→宮崎堤は明治3年(1870)に造成されました。
麻績学校の大石垣 〈打ち込みハギ・落とし積み(写真上部) 打ち込みハギ・矢羽根積み(写真下部)〉
→麻績学校は明治6年(1873)に開校し、明治31年に拡張工事が行われました。このとき造られたのが長さ120mの大石垣です。
喬木線の石垣 〈玉石積み〉
→丸い石を使うことで隙間ができ、水はけが良くなります。

石垣の主な積み方

■石の種類(加工)から分類すると
野面(のづら)積み……自然の石をそのまま積む方法
打ち込みハギ……石を打ち欠くなどして整え、石同士の隙間を減らした積み方切り込みハギ……石同士がぴったり合うよう接合面を加工して積む方法
玉石積み……大きさのそろった丸い自然石(玉石)を積む方法
■石の積み方から分類すると
乱積み……大きさや形の不ぞろいな石を不規則に積む方法
布積み……大きさがある程度そろった石を、横の目地(継ぎ目)をそろえて積む方法
落し積み(谷積み)……石を45度傾けて、下の石と石の間の谷間に落とし込んで積む方法
※順番に向きを入れ替え、弓矢の羽根のような模様に積んだものを「矢羽根積み」ともいう

※〈 〉で記した積み方については専門的知見を得たものではありません。
一部の石垣は、現在目にすることはできません。

コメント

この記事へのコメントはありません。

関連情報

PAGE TOP